〈あらすじ〉

 1951年、北海道・美深。深瀬昌久(浅野忠信)は父・助造(古館寛治)の写真館を継ぐことを拒んで上京。大学卒業後、強く美しい女性・鰐部洋子(瀧内公美)と出会った深瀬は、彼女を被写体に革新的な作品を生み出し、2人は夫婦となる。

 74年にはMoMA(ニューヨーク近代美術館)に作品が展示され、深瀬は世界的に注目される存在となるが、洋子からは見捨てられてしまう。深瀬は自身の心の闇が生み出したイマジナリーフレンド、鴉の化身の「ツクヨミ」(ホセ・ルイス・フェラー)に導かれ、芸術家としての道を孤独に走り続けるが……。

〈解説〉

 写真家・深瀬昌久の波乱万丈の人生と芸術家としての葛藤を、最愛の女性との関係を軸に恋愛映画として描く。監督・脚本は『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』のマーク・ギル。116分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆1970~80年代の時代色と、死を意識せずにはいられなかった写真家……。ゲンナリするところもあるが、胸にしみた。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆練りの強い映像がいくつか見られるが、鴉や父親の絵解きがややくどい。〈スイカを喰う土方巽〉の写真を思い出した。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★★昭和の臭いが立ち込める画面の構成やカメラの位置が鮮烈な美を生む。深瀬と擬人化したカラスは悪魔的な魅力を放つ。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆浅野忠信の本来性が純粋培養されたような爆演。野蛮と知、魔と情愛が綱引きする緊張の中を生きる傑物のポートレート。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★浅野忠信の底力を見たり!! まるで深瀬の視座と浅野が見事にシンクロし、鴉と対話する模様をカメラで覗く面白さだった。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© Vestapol, Ark Entertainment, Minded Factory, Katsize Films, The Y House Films
配給:アークエンタテインメント
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レイブンズ(仏、日、ベルギー、スペイン)
3月28日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国公開
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