「皮膚がめくれて、赤黒い肉がむき出しに…」足の痛みが増し、シャワーに入ることすら苦労する日々

――それは、どのような状態なのでしょうか。

柊子 皮膚がめくれて、赤黒い肉がむき出しになっているんです。もともと、あざを隠すように塗り薬を塗って、ガーゼをして、その上から包帯を巻いて毎日過ごしていました。

 それが、ガーゼが患部に触れることすら激痛になってきて……。それからは、傷が見えなくなるくらい大量の塗り薬を塗りたくって、その上からガーゼと包帯を巻いていましたね。

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 そんな状態だから、お風呂も本当に大変でした。シャワーが当たるだけで激痛なのですが、患部は清潔にしないといけないから、毎日洗浄しないといけないんです。直接シャワーを当てないように、自分の手でお湯をすくって、そーっとかけるようにしていました。それでも、ものすごく痛かったですね。

 

――そんな状況でも、高校には卒業まで通い続けたのですよね。

柊子 はい。通い続けるのは大変だったけど、友達と話してると少しだけ痛みを忘れられるんです。むしろ、家で一人で痛みに耐えているほうが辛かった。

 それ以外では、好きなバンドの曲を聞いたり、ライブ映像を見たりして気を紛らわしていました。今も当時も、[Alexandros]が大好きで!

 映像を見るたび、「いつか生でこの音楽を聴きたいな」と思っていました。でも、足の痛みを抱えてライブに行くなんて無理だから、諦めていました。

身体も心も、足の痛みに振り回された高校時代だった

――ずっと足が痛いと、趣味も楽しめないですよね。

柊子 高校生のときに一度だけ、好きなバンドのひとつ「KEYTALK」のコラボカフェに行こうとしたことがあるんですよ。ライブは厳しいけど、カフェならいけるかもと思って、親に頼んで車で送ってもらって。

 でも、いざお店に入ろうとした瞬間、左足から血が溢れ出してきて……。結局お店には入れず、そのまま家に引き返しました。そのときはすごく悔しかったですね。

 

――足の痛みで我慢しなければならないことは、他にもたくさんあったのでは?

柊子 痛みや出血が怖くて修学旅行にも行けなかったですし、高校卒業後は医療系の仕事に就きたくて専門学校に合格していたんですけど、足の状態がどんどん悪くなっていったから、進学も諦めました。

 痛みで諦めなければいけないことばかりだから、気持ちもどんどん暗くなっていって……。高校時代は、身体も心も足の痛みに振り回されてました。