そこで行われているのは、どうやら特殊詐欺だけではないようだ。
中国メディア「環球時報』では、23年9月にミャンマーにある詐欺拠点から救出された中国人医師が、逃亡に失敗すると下半身が黒く腫れあがるまで棒で殴られたとの証言を掲載している。
同様の証言は日本人の高校生もしている。ミャンマーで詐欺行為をやらされていた愛知県の16歳の男子高校生と宮城県の17歳の男子高校生は警察に対し、「ネットでやり取りした相手から、海外に関わる仕事があると話を持ちかけられて興味を持った。日本に詐欺の電話をかけていたが、ノルマを達成できないとスタンガンを当てられた」(同上)と話した。
生きたままでの臓器摘出
これらの証言に、筆者は着眼した。これは、被害者の臓器を傷めないためではないか。
特殊詐欺のかけ子をさせられた人はその後どうなるのか。犯罪の内容やアジトを知られた者を、犯罪組織が解放するとは考えにくい。彼らの犯罪は、カネに始まりカネに終わるものだ。
今年1月20日に配信されたデイリー新潮の記事によれば、騙されてミャンマーに来た人たちは次々と犯罪組織に転売されるのだという。そして最後に行き着くのが、「東南アジアの最終地点」と呼ばれる、ミャンマー・カレン州ミャワディの「KK園区」だという。
「22年の詐欺拠点報道で最も恐怖の対象になった場所は、ミャンマー・カレン州ミャワディの『KK園区』である。(中略)当時の中華圏メディアは、残虐行為の象徴として『生きたままでの臓器摘出』を盛んに報じていた。KK園区に売られた人たちはすでに転売できる“商品価値”がなく、最終的には麻酔をかけられて船に乗せられ、臓器を摘出された後は海に捨てられるという内容だ。また台湾では、臓器売買目的でKK園区に人を向かわせたグループが有罪判決を受けている」(デイリー新潮1月20日配信記事)
逮捕されるならまだマシ
台湾での報道をまとめたというnoteには、信憑性は定かではないが「KK園区では、女性がレイプされるのは当たり前。ノルマを達成できないと、水牢、暴行、トウガラシ水の拷問の途中で命を落とす者も多い。耐え抜いたとしても使い物にならない者は『豚』のように扱われ、一人ずつ(臓器提供の容器のように)売られていく」という投稿がある。