「もう飛行機は信用できない!」

「主人です。東京へ出張でした。淋しいですとても。でも4人の生存者がいたことに少し救われた気がしました。よく生きておられたと」

 他にも聞いた。

「想像を絶するような揺れや振動、墜落の恐怖が30分以上も続いたらしいんですね。どんなに恐ろしかったことか、最後は諦めたんでしょうかね」

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「安全神話なんて日航が勝手に作ったんでしょう? もう飛行機は信用できない! 海外も行きたくない」

 一年経った御巣鷹山の頂上には懺悔、怒り、悲しみ、後悔が走馬灯のように回り人々を包んでいた。

 一周忌慰霊式は、この日の夕方に群馬県・上野村で行われた。この日、慰霊登山を終えた遺族関係者は、村が用意した休息所で休み、式へ臨んだ。