ある日、荻野目の事務所社長がやってきて…

荻野目は謝罪会見を開いた。日刊ゲンダイデジタル(2016/09/30 07:00)によれば、会見に出席した芸能リポーター・川内天子氏は、声を震わせながら、当時こう語っていた。

「愛人が自室で自殺した様子を、淡々と語るんです。小柄な荻野目の全身から、妖気が立ち上っていました。本物の魔性です」

当時、多くのメディアが、「監督が荻野目の自宅で密に撮っていた写真がある。その中には彼女の全裸ヌードもあるそうだ」と報じた。フライデーも取材させたが、真偽のほどはわからなかった。

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それから1年以上がたったある日、某編集部員が「荻野目のプロダクションの社長が会いたいといってきています」と伝えに来た。

社長と都内某所で会った。彼は「荻野目の写真集を出したい」といった。フライデーでカメラマンを用意して特撮するのかと聞くと、すでに写真はあるという。

どんな写真かを聞いたが、それには答えなかった。条件は、写真は荻野目自身がセレクトする。このことは絶対他に漏らしてもらっては困るということだった。

ピンときたが、そこでは何もいわなかった。

撮影者のほとばしるような“情愛”が見てとれた

しばらくたって、荻野目が社長と一緒に編集部を尋ねてきた。小柄で、今にも消え入りそうなという言葉があるが、まさに、そんな女性だった。だが、話すうちに、この女性の中にはふつふつと滾(たぎ)る黒い情念のようなものがあると感じられた。

写真は素人が撮ったものではなかった。写真から、この撮影者の荻野目に対するほとばしるような“情愛”が見てとれた。

荻野目に、「この写真を撮ったのは誰か」「どこで撮られたものか」などと聞いたが、彼女は終始無言のままだった。

彼女が置いていった写真を机の上に並べ、どうしたものかと思案した。週刊誌屋としては、「荻野目の亡くなった愛人が撮った秘蔵の写真を初公開」と謳(うた)えれば、売れることは間違いない。