「カシオペア」という名前の由来は?
4号車から11号車までは「カシオペアツイン」の2人用個室で、各車両10室ずつ。メゾネットではなく、階下室と上階室、平屋タイプがあった。階下室と上階室のベッドの配置はL字形で、寝ないときはベッドを畳んでソファとして使用する。
平屋タイプは天井が高く、折り畳み式のエキストラベッドがあって3名で利用できた。4号車の平屋タイプのうち1室は「カシオペアコンバート」という名で、車椅子に対応。乗降扉からの段差がなく、車椅子を固定する装置が設置されている。
すべての部屋にトイレがあるが、シャワー設備はない。ただ、共用設備としてシャワールームが6号車と10号車にある。共用トイレも2・7・11号車に、ミニロビーが5号車と9号車にある。
12号車は電源車で、上階が共用のラウンジカーだ。階下にディーゼルエンジンと発電機を設置している。これは実に画期的なアイデアだ。エンジンや発電機の技術が向上し、小型化できた成果かもしれない。北斗星やトワイライトエクスプレスなどの電源車は乗客が利用できる空間がなかった。荷物車という扱いで、わずかな空きスペースで新聞などを輸送していた。
ラウンジは乗客の誰もが利用できる。札幌行きの場合、青函区間以外は窓から電気機関車しか見えないけれども、函館からけん引するディーゼル機関車のうち、DD51形はボンネット部分が低いため、視野が少し狭くなる程度だ。しかし眺望を楽しむなら札幌発上野行きが良い。
さて、カシオペアという列車名は、北斗星(北斗七星)と対となって北の夜空に輝く星座であること。そして、星の配置が「W」であり、E26系の全車ダブルデッカーのダブルに通じるからだったという。E26系がカシオペア専用車両だったため、E26系の通称がカシオペアとなって今日に至っている。
寝台料金は2014年当時、カシオペアスイートが5万2440円(1室)、カシオペアデラックスが3万5340円(1室)、カシオペアツインが2万7460円だった。上野~札幌間でカシオペアツインを利用すると、1人当たり3万5230円かかった。




