まるで地底国へ続くかのような“異質な穴”に仕掛けを入れてみると…
お風呂型の穴が点在する中でひときわ異質な穴を発見した。
底が見えないまるで地底国へとつづくかのような奇怪な穴……。ドラえもん好きな私はここから始まる大冒険を感じずにはいられなかったが、ここはおとなしく仕掛けを垂らしてみるとしよう。
すると投入して間髪入れずにアタリがでた。先ほどまでのベラ科の魚より力強い引きを見せる。漆黒の穴から上がってきた魚はメジナ。
磯釣りで最も人気の高いメジナ。大型になればベテラン釣り師でも手に負えない強烈な引きをみせる魚だけあって、小型でもパワフルな引きをみせてくれた。続く2投目も投入と同時にヒットするほど活性が高い。もはやメジナの湧きどころのごとく入れ食い状態。
恐らく生け簀に使われていたであろう奇怪な穴はいまや釣り堀と化していた。
穴を行きかう大物の正体とは…?
続いて大物狙いの仕掛けに変更して穴のヌシを狙ってみることに。竿はダイソーで販売されている700円の穴釣り専用ロッド。
穴の規模をはき違えているが、それでも大物にも耐えることができる仕様だ。大きな針にサバの切り身を付けて潮通しの良い海側の穴へ投入した。
アタリを待っていると、隣接した穴から穴へと黄色い体色をしたウツボが行き来しているのを見つけた。
エサを求めて回遊しているのだろうか。しばらくするとロッドがぐいぐいとしなる。これは……? アワセを入れると穴釣りロッドがありえない曲がりを見せる。巨大な穴から姿を見せたのは先ほど回遊していたウツボ。やりとり中にも2匹のウツボがエサを取り合うかのように後を付けていた。
サバの臭いを感知して海から泳いできたのだろうか。追い込み漁の漁場として作られた穴は、長い時を経て海の生き物の巣窟になっていた。






