明るい幕末の話を
本作のテーマについては、作者である松村さんも、こう言い添える。
「とにかく一生懸命やっているヤツの汗が見たいなと思ったんです。そういうものが最近、足りないですよね。『ヨオソロー！』と声を揃えて船を進めていく、若者の前向きさを見たいじゃないですか」
また「明るい幕末の話をやりたかったんです」とも。そして、「釜次郎が主人公なら、きっとできると思って」と、演じる松本さんに期待を向けた。
「榎本武揚の戊辰戦争以前の記録はあまり残っていないのですが、彼が長崎で蒸気機関を学んでいたことは史実です。その後、オランダ留学もして、当時の日本が置かれていた複雑な状況も把握していた。でも、おそらく腹芸ができる人じゃなかった。正直で前向きで、何かおかしいぞと思ったら、そう思っていることがすぐに周りにバレちゃう、そんな素敵な人だった。それがのちの榎本艦隊へつながる……のではないかと歴史マニアとしては夢想するわけです（笑）。そして彼なら、ぼっとんで働く時代の最下層にあった若者たちとも通じ合えただろうと。そんな歴史上の人物のルーツも描きたいというのが密かな裏テーマですね」
まつもととしお／2001年、EXILEのメンバーとしてアーティストデビュー。俳優としては07年に劇団EXILEの第1回公演で初舞台を踏み、以来、映画、ドラマ、舞台で活躍。15年、EXILEパフォーマーを卒業。近年の出演作では、映画『アイミタガイ』（24）、舞台『三國志演技～孫呉』（24）など。
まつむらたけし／1990年、早稲田大学在学中に八嶋智人らと劇団「カムカムミニキーナ」を旗揚げ。主宰として劇団の全作品の作・演出を担当。2003年に史上最年少で明治座の脚本・演出を手がけた。ミュージカルからストレートプレイまで幅広いジャンルの演出をこなすほか、俳優としても活躍している。
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舞台 LEGENDSTAGE feat.カムカムミニキーナ『よろしく候～BOTTOM OF HEART～』
6月26日（木）〜30日（月）東京・足立区文化芸術劇場（シアター1010）にて
http://legendstage.jp/yoroshiku/
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