『小麦粉(国内製造)』と書かれたパンのパンの原料の小麦はどこで作られていると思いますか
同ネットワークは23年秋に、東京の原宿と阿佐ヶ谷で次のように尋ねた。
「『小麦粉(国内製造)』と書かれたパンのパンの原料の小麦はどこで作られていると思いますか」
そして「国産」「輸入」「生産地はわからない」の3つに分けて、パネルにシールを貼り付けてもらったという。
正解は三つめの「原料原産地はわからない」だが、街頭調査の結果は図1の通りである。
ほぼ3等分された。国産であると誤認している人が3分の1もいたのだ。
原さんはこの結果を示しながら、こう訴えた。
「消費者が誤解している制度を放っておいていいのでしょうか」
さらに原さんが著したブックレット『どうなっているの?食品表示』の冒頭部分で、原さんは日本の現状へ警鐘を鳴らす意味も込めて次のように綴っている。
「食品の表示事項や表示方法を定める食品表示法、食品表示基準は食の安全の面から見ると欠陥だらけです。しかも、その基準が次々に改悪されています。今まで消費者の商品選択に役立っていた『遺伝子組み換えでない』表示や食品添加物の『無添加・不使用』表示が、実質的に禁止されたり制限されたりしてしまったのです。これらの表示がなくなれば、消費者が遺伝子組み換えや食品添加物のことを意識する機会が減ってしまうでしょう。
こうした食の安全行政の後退は、いわゆる行政改革による規制緩和や国際平準化の政策に加え、アベノミクスによるさらなる企業活動優先の政策によって起きています」
原さんが指摘した「欠陥」の象徴的な事例が、一次原料の原産地ではなく、製造地を表示させる消費者庁の方針といっていいだろう。
