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水田をやめた人にお金を出す政策
鈴木教授は「ビル・ゲイツ氏ら、プライベートジェット機でダボス入りして温室効果ガス排出を大きく増加させている人たち」と批判しているが、まったくその通りだと思う。
立憲民主党の野間健衆議院議員は24年3月の農林水産委員会で、ダボス会議で日本の水田がやり玉に挙げられた件について、坂本哲志農林水産大臣に見解を求めた。しかし、返ってきたのは玉虫色の答弁だった。
「水田はしっかり守ってまいります。その一方で、生産力の向上と持続性、この両立を図ってまいります。あわせて、環境負荷の低減への努力、これもやはり世界に対してアピールをしていきたいというふうに思っております」
実際、国は日本の水稲農家をやめさせるために予算を組んでいる。23年には補正予算で750億円も計上して、水田をやめた人にお金を出すと言っているのだ。私の前著のタイトルは『売り渡される食の安全』だが、食の安全どころか、日本の食の根幹である米農業そのものを売り渡そうとしている。