「あなたは東大を目指しなさい」自主学習だけで難関大学を受験

――なぜ美大なのですか?

宇佐美 小学校の頃から絵を描くことが好きで、漫画を描いてたんです。高校のときは同人誌を描いたりもしていて。ネットで発表したり、コミケで売ったりもしてました。

 だからぼんやりと「美大に行きたい」と思ったんですけど、高校が進学校だったのもあって、先生からは難色を示されて。

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 学校としては合格実績を作りたいから、「美大には何歳になっても行けるから、とりあえず今は東大を目指しなさい。あなたなら東大を狙えるから」と言われたんですよね。

 どうしても美大に行きたい、というほどの熱量でもなかったので、自分の力試しもかねて東大を受験することにしました。

――東大を狙えるほど優秀だった?

宇佐美 成績は良かったと思います。教科書を読んだら大体わかるから、塾や予備校にも通わずに、自主学習だけで大学受験に臨みました。

――それほど優秀だったからこそ、学校からの期待も高かったのですね。

宇佐美 学校や親が「東大に入ってくれたらうれしい」と思ってるのはわかってました。

 でも私は、それをプレッシャーに感じることもなく。自分の中で「どうしても東大に行きたい」「受からなきゃ」とは思ってなかったので、わりと気楽に受験しました。東大を目指せば、早慶くらいには入れるだろう、という気持ちで。

 結局、東大には落ちてしまいましたけど、早慶はどっちも受かって、早稲田に行きました。両親も学校の先生も、私が早稲田に行くことに対してとりあえずは満足してましたね。

早稲田大学の映画サークルを半年で辞めたワケ

――早稲田大学の何学部に入ったんですか?

宇佐美 国際教養学部です。大学4年間のうち、3年生のときは丸1年留学させてもらえる学部だったんですよ。丸1年留学しても4年で卒業できるのが良いなと思って、そこに決めました。

 

――サークルには入った?

宇佐美 映画サークルに入りました。高校時代の演劇部のモラハラ顧問に、「おまえ、早稲田に行くのか。早稲田の演劇サークルには絶対に入るなよ」と言われて。

 早稲田の演劇サークルは本気で打ち込む人が多く、のめりこんだ結果、大学を中退するケースも多いらしくて。そうなったら困るから演劇サークルはやめておけ、と助言されたんです。

 私はそれを聞いて「そういうものなのか」と思って、演劇サークルには入らずに映画サークルに入ったんです。