「ストリップ劇場では、みなさんと同じような人間が毎日出勤して働いている」

――特別な場所ではない。

宇佐美 ストリップ劇場では、みなさんと同じような人間が、みなさんが毎日会社に行くのと同じように毎日劇場に出勤して働いている。その人たちは、必ずしも特異な事情や生い立ちがあるからストリップで働いているわけではないんです。

 人とは違った過去があるからストリップ業界にいると思われることもあるのですが、そこらへんは少し誤解されているかな、と感じます。

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――ストリップ業界では、劇場の数がどんどん減っている現状もあります。

宇佐美 去年の夏にも、ライブシアター栗橋という劇場が閉館しちゃって。風営法による規制で劇場の新設ができないので、法改正ももちろん望むところではありますが、今あるところにはできるだけ長く続いてほしいですね。

今後もストリッパーとして活動していく予定(写真=本人提供)

「いい加減、嘘をつき続けることに疲れてもいる」もし両親にストリッパー転身がバレたら…

――今後のキャリアは、どのように考えているのでしょうか。

宇佐美 何にも考えてないです(笑)。絶対にあと何年続けるとかも決めてないし、なるようになると思っています。

 ストリッパーとしてもっと人気になって、めちゃくちゃ有名になりたいとか、もっとストリップ業界の規模を大きくして、商業的に成功させたいみたいな野望もなくて。

 そもそもストリップ業界自体に、商業的な成功を追求する、という空気がないんですよね。そこもストリップの良いところだと個人的には思っていて。淡々とした日常が常にそこにある、みたいな業界なんです。

 もちろんお客さんがたくさん来て盛り上がってほしいとは思いますけど、これまで過ごしてきたような良い時間、良い日々ができるだけ長く積み重なっていけば幸せだなと思ってます。

――ストリッパーをしていることをご両親に話していないそうですが、今後打ち明ける予定は?

宇佐美 正直、両親には事実を知らないままでいてほしいです。でも、もうストリップを始めて7年目になるので、いい加減、嘘をつき続けることに疲れてもいるんですよね。

 なので、もしバレたとしても、それはそれで仕方ないかなと思ってます。ストリッパーという仕事で生計を立てていますし、こういう取材を受けたり、劇場外での仕事をいただいたりした実績もあるので。バレたときには、そういう事実を親に見せて諦めてもらうしかないです(笑)。

 

撮影=細田忠/文藝春秋

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