「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣受刑者は男性にどのようなアプローチをかけていたのか。りりちゃんと接見を重ねたフリー記者の宇都宮直子さんは「私も被害者の男性に話を聞くまで、知り合ってすぐの女性に大金を支払う意味がわからなかった。だが、りりちゃんはとんでもない行動力で男性を落としにかかっていた」という――。
※本稿は、宇都宮直子『渇愛 頂き女子りりちゃん』(小学館)の一部を再編集したものです。
アプリでマッチしたりりちゃんの驚きの行動力
約3850万円を騙し取られた50代の恒松洋一氏(仮名)と渡邊被告は2023年4月20日、マッチングアプリを通じて知り合った。渡邊被告が逮捕される約4カ月前のことだ。
「最初は“かわいいコだな”と思って『いいね』を押しただけ。そうしたら向こう(渡邊被告)も『いいね』を返してくれて、やり取りが始まったんです。年の差もだいぶあったし、別に付き合いたいとか、そういう気持ちはなかった。向こうがプロフィールに、『マッチングアプリをやめようかな』と書いていたので“やめちゃうんなら、最後に『いいね』を押しとこうかな”という、それくらいの軽い気持ちでした。
そうしたら向こうからすぐに『突然だけどLINE聞いてもいい?』とメッセージが来たから、『別にいいよ、LINEくらいだったら』って返しました。嫌だったら最悪、ブロックでも何でもしちゃえばいいわけだから。1時間とか1時間半とか、メッセージのやり取りをして、夜の11時半を過ぎた頃だったのかな? 翌日、仕事が休みだったので『明日休み』と送ったら、『●●(恒松氏の住む街)いっていい?』って、メッセージが来た」
翌朝、「良かったら電話しても良いですか?」とLINEがあり、その後電話がかかってきて、少し話した後、「優しい声で安心しました」とメッセージがあったという。
その日、渡邊被告は本当に恒松氏の住む町まで来た。
