「今度、切断することになった」2人の娘に伝えると…

——ご家族には、いつ手術のお話をされましたか?

横田 手術の1週間くらい前だったと思います。自分の姿が変わることはわかっていたので、「切断する前に子どもたちに会わせてほしい」「自分の口で伝えたい」とお願いしました。

 

 旦那は、私が意識を戻す前に先生から病名も聞いていたはずですが、どういう病気か説明できなかったらしく、娘たちには「ママはインフルエンザで入院している」と伝えていたようです。

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 娘たちと会うのは20日ぶりでした。「今度、切断することになった」と伝えると、長女は泣きじゃくり、次女はボーッとしていましたね。

——手術の前日はどんな状態でしたか?

横田 まだ状況の理解が追いつかず、透析は辛いし、水も飲めなくて、ずっと地獄のようでした。「明日切断する」とは1ミリも考えていなかったと思います。

 自分の脚も、寝ている体勢からは見えにくく、手術の前日にお風呂に入れてもらって、そこで初めてちゃんと見た気がします。

「痛い!痛い!」と大声で叫んで…

——手術を終えてからは、どんな状態でしたか?

横田 それはもう、味わったことがないような激痛でした。バタバタともがきながら「痛い! 痛い!」と大声で叫び、手術当日は全く眠れませんでした。看護師さんに「すみません、泣いてもいいですか?」と言って、ひたすら泣きながら叫んでいました。

 それでも4日くらい経つと、モルヒネなど強い注射を打たれたのか、どうにか眠れるようになり、1週間くらいで痛みも落ち着いていきました。

 

——脚の手術の10日後には、手の指の手術が控えていたんですよね。

横田 かなりの恐怖でした。脚の切断が終わったときは、今までの人生経験を必死に思い出して、「今日我慢すれば絶対明日は良くなる。今日一日我慢したら明日は楽になる」と自分に言い聞かせていたのですが……。やっと痛みが落ち着いてきたところに、「またあの痛みが来るのか」と思うと、ゾッとしました。