40歳のときに「電撃性紫斑病」という大病を患い、両脚と両手の指の切断を余儀なくされた横田久世さん(47歳)。2025年3月には義足で東京マラソンを完走するなど、精力的な活動を続けています。
2人の娘が一人暮らしを始め、現在は夫との二人暮らしだという横田さん。大病を患い、夫婦関係はどう変化したのでしょうか。(全4回中の4回目/最初から読む)
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夫との出会いは勤務先のスナックで
——横田さんはとてもポジティブな方ですが、子どもの頃からそうだったのでしょうか?
横田久世さん(以下、横田) もともと元気で明るいタイプではあったんですけど、物事を前向きに捉えるようになったのは、両手の指と両脚を切断してからです。それ以前はどこか適当で、「楽しければいいや」という感じで何となく過ごしていました。
子どもの頃の家庭環境も影響しているかもしれません。家族の中で自分の居場所がなく、元気で明るくしていることで自分を守っていたんだと思います。
——子どもの頃は大家族で生活していたそうですね。
横田 曽祖母、祖父、祖母、父、父の妹、母、兄2人、私の9人で暮らしていました。来客も多く、父はいつも誰かとお酒を飲んでいて、母は家事やみんなのお世話に追われて忙しく動き回っていました。兄は友達と遊んでいて、誰も私の話を聞いてくれる人はいませんでした。
自分の部屋もなかったので、家の中では階段が自分の居場所でした。性格も男勝りで負けず嫌いだったので、親から見ても可愛げがなかったと思います。
中学生になる頃には非行に走り、髪を金髪にしたり、家出をしたり、盗んだバイクで走り出すような勢いで過ごしていました。
——高校には進学されたのですか?
横田 地域でも偏差値の低い女子校に進学しましたが、学校が面白くなくて1年留年し、19歳で卒業しました。17歳のときから水商売のバイトを始めて、卒業後も続けていて、旦那とは勤務先のスナックで出会いました。

