病気になって8年。頑固な夫に生まれた“変化”とは?

——病気を患って8年になりますが、夫婦関係に変化はありましたか?

横田 基本的には変わらないですね。お互い熊本出身で、旦那は「肥後もっこす」と言われる熊本の男で、頑固です。お酒が好きで、私が病気になる前は週5日くらい飲みに行って帰ってきませんでした。

 私も娘もいちいち詮索しないし、帰ってきても酒乱でうるさいので、それはそれで良かったんですけどね。

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 でも最近は、旦那が家に帰ってくるようになりました。もともと私がずっとワンオペで家事も子育てもしてきたし、手術をして家に戻った後もその生活は変わりませんでしたが、ご飯まで作ってくれるようになりました。

——ご主人も変化されたんですね。

横田 結婚してすぐに子どもができたので、(大学生の娘たちが一人暮らしを始めて)やっと2人で過ごせるようになったからかもしれません。とはいえ、今でも週に3日くらいは帰ってきませんよ。以前の5日に比べたら減りましたが、どこで何をしているかは知りませんし、連絡も取りません。

 仕事が自営業で一緒にやっているので、帰ってくる日はだいたいわかります。逆に今日は帰ってこないだろうなという日は「やった! 1人だ!」って思いますし。

 

——「どうして帰ってこないのか」と思うことは?

横田 ないですね。世間から見たら自由な家族だと思いますが、それが私たちの家族の形です。家に帰ってこなくても、娘たちの大学のお金は全部出してくれるし、仕事もちゃんとしているので、私はそれだけで十分なんです。

 もちろん、病気になる前は離婚を考えた時期もありました。でも、病気を経験していろいろな人に出会う中で、自分の価値観も変わっていったんです。

 障がいを持ってからは、以前より自分の好きなことをしたいと思うようになったので、今では「こんなに一緒に居やすい人はいない」と思っています。