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雪国の道路が茶色くなるメカニズム
新潟県中越地方の内陸部に位置する長岡は、日本有数の豪雪地帯。冬になるときまって積雪1mを超える豪雪に見舞われる。とうぜん、それほどの大雪を為すがままにしていては市民生活にも差しつかえる。
そこで雪対策のひとつとして生まれたのが、道路の下にパイプを埋め込んで温かい地下水を噴出して雪を溶かす消雪パイプ。おかげで冬場でも道路に雪がたっぷりと積もるということがなくなった。
いっぽうで、地下水に含まれる鉄分が赤さびになって道路を覆っている、というわけだ。つまり、長岡の道路の赤茶色、これは雪との戦いの証なのである。
他にも、この町にはそこかしこに雪との戦いの痕跡がある。たとえば、駅周辺の目立った道路のほとんどで、歩道部分が屋根に覆われているのだ。雪が降り積もっても、歩行者が安心して町を歩けるように。
長岡駅の西口も、駅前広場を「大手スカイデッキ」という屋根付きのデッキが跨いでいて、これを使えばまったく雪に降られることがないまま、目抜き通りの大手通りに行くことができる(地下道を使う、という選択肢もある)。もちろん、大手通りの歩道にも屋根が架かっている。
そんな雪国の話をしても、いまは灼熱の夏である。だから、長岡の町を歩いても、赤茶色のアスファルトがむき出しになっているだけだ。
ただ、歩道の屋根は日差し避けになるから、その点では夏にも役割を果たしている。




