ファンタジーの世界でこの体をいかせたら嬉しい
――「低身長✕ファッション」といった動画も発信されています。普段の洋服はどうやって選んでいますか。
星来 私は小学3、4年生くらいの130サイズなので、ジャングルジムできる服ばっかりで(笑)。
でも、最近だと“親子でお揃いコーデ”みたいなものがあるので、そこで大人っぽいデザインを探したりしてます。
――芸能事務所に所属してモデルや講演をされているそうですが、他にチャレンジしたいことは?
星来 今演技の勉強もしているんですけど、海外だと、たとえば『ハリー・ポッター』のゴブリンっていう小さい妖精みたいなキャラクターは実際に低身長症の方が演じていますし、障害者の役を当事者が演じることがあって。
日本でもそういった機会があれば障害を知ってもらう機会が増えると思いますし、私自身、ファンタジーの世界でこの体をいかすことができたら嬉しいですね。
ちなみに映画館では、子ども用の分厚いクッションが置いてあったりするので、それを借りて見てます。
子どもの時から障害がある人たちと一緒に学ぶ環境を
――今年公開された実写版の『白雪姫』では、七人の小人がCGで登場し、批評家からは、「低身長症の俳優の出演機会を奪うものだ」という批判があったと報じられました。
星来 私は、低身長症の俳優さんが小人役をやってもよかったんじゃないかなと思っていて。『ハリー・ポッター』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』といった大作で低身長症の方が活躍されているのを見て、「こういう人がいるんだ」と気づくきっかけになった人も多いと思うので、ちょっと残念だな、と思います。
――日本で、障害を持った俳優が活躍するために必要なことは何だと思いますか。
星来 映画を作る関係者の方に障害者と過ごした経験がないと、彼・彼女らをキャスティングした時、どうサポートをすればいいか具体的に分からないと思うんです。本当はスロープとエレベーターさえあればできるのに、もっと大事にとらえてしまって、「ハードルが高いよね」といって起用を断念される可能性もあるかもしれない。
なのでやっぱり、いろんな人が障害者と一緒に過ごせる環境、子どもの時から障害がある人たちと一緒に学ぶ環境がまずは必要だと思うんです。
写真=三宅史郎/文藝春秋
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

