ストレスを、いかに解消できるか

 多くの人は、何か嫌なことがあったり、嫌なことが続いたりすることで抑うつ的な気分になります。それはいじめかもしれないし、勉強についていけないことかもしれません。先生に𠮟られたことかもしれないし、友人とのトラブルかもしれません。

 なかには、雨だからとか、運動会の練習が面倒だからという理由もあるでしょう。いずれにしても、人は、何もないのに抑うつ的な気分になることは、ほとんどありません。そして、そのような嫌なことがまた起こるのではないか、今後も続くのではないかと思うと不安になりますし、眠れなくなってしまうのです。人によっては、おなかが痛くなったり、朝起きられなかったりすることもあります。

 このような嫌なことは、一般的にはストレス(正確には、ストレス因やストレッサー)と呼ばれます。ストレスになりそうな事柄を避けたり、ストレスに直面してもうまく対処できたりする(たとえば、ストレスになりそうな問題を自分で解決したり、人にグチを聞いてもらったり、カラオケで発散したりなど)と、人は健康なままでいられます。

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 しかし、ストレスを避けることも対処することもできず、ストレスに直面したり、ストレスにさらされ続けたりすると、気持ちが落ち込んだり、夜眠れなくなったりします(だから居眠りをしてしまう)。

 また、自分のつらい気持ちを人に言葉で伝えられない(言語化できない)と、それが身体の症状として現れ、おなかが痛くなったり、吐き気がするようになったりします(これを身体化といいます)。

 起立性調節障害や過敏性腸症候群(IBS)なども、この身体化のひとつだと考えられます。人はこのような嫌な思いをしたくないので、その嫌なものから目をそらそうとします。大人であれば、飲酒や暴飲暴食などをするかもしれませんが、子どもの場合、その目をそらす先がゲームや動画だったりします。ストレスに向き合うのがつらいから、ゲームや動画に夢中になる子どももいるのです。

 このように、学校に行けない理由や要因は、気持ちを落ち込ませたり、眠れなくさせたり、おなかを痛くさせたりしているストレスなのです。ですが、何に対してストレスを感じているのかを明らかにして、「これが私の不登校の理由です」と言える子どもはほとんどいません。

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