カミソリとジャックナイフで
前日夕刊の毎日と読売、そしてこの日の埼玉の別面は、飛びかかった時、「おまえに恨みがある」と叫んだと書いている。ということは本人と間違えたのか、別人と分かっていて錯乱したのか――。埼玉の記事は続く。
【手口】バラバラは安全カミソリ(軽便カミソリ、ボンナイフ)とジャックナイフでやった。まず左の乳房を削り取り、それから右乳房、左足、右足の順で切り取り、最後に下腹部を削ぎ取った。駅前の倉庫からカマスを盗み、ぶらつく両手を後ろ手に縛って胴体を詰め込んだ。捨て場所を探したところ、農協管理の肥だめを見つけ、そこに投げ込んだ。次いで足を運ぼうとしたが、重いので、1本をかかとまで、もう1本を膝まで剥ぎ取り、肥だめに投げ込んだ。
そのうち、眠気を催したので、休む所を探した結果、氷川神社を見つけ、拝殿内で削り取った肉片を細かく切り刻んで床下と拝殿の外に投げ捨てた。このころ、ようやく外が明るくなったので、上福岡駅へ行き、乗客が多くなるのを待って東京方面へ逃げた。
11月27日付埼玉読売によれば、「解体」には5時間かかったという。21日には氷川神社の拝殿のひさしから凶器のジャックナイフと安全カミソリが発見された。22日付夕刊読売の社会面コラム「話の港」には拘置中の古屋の奇矯な態度が記されている。
取り調べでは奇妙な態度を
「調べに当たっては一応『悪かった』と反省の言葉を漏らしたが、さて自供を求めると、『青酸カリをくれれば言う』とダダをこねる。鑑識の写真撮影台に登らせると、『写真を撮るなら自殺する』と言って飛び降りる始末。ところが急に『似顔絵を描いてやろうか』と上機嫌で係官に話しかけることもある。あまたの事件を手掛けた警部も『全く妙な男だ。こんな男は初めて』(川越発)」。
25日付夕刊読売埼玉版Bには古屋が取り調べ担当の警部補を描いた似顔絵も載っている。決してうまいとはいえないが、意外に軽妙な筆致だ。
初公判が迫った12月21日付埼玉読売は「10大ニュースその後」の囲み記事で、浦和地裁では古屋を刺激するのを恐れ、傍聴券を30枚に制限、法廷内での写真撮影を禁止する措置をとると伝えた。しかし、その通りにはならなかったようだ。
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