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観光地らしからぬ“物足りない感”
高架下にすっぽり収まっている。みどりの窓口もなく、自動改札もふたつみっつ並んでいるだけの小さな駅だ。
その前にはなんとも殺風景な待合スペース。観光案内所もあるもののコンビニなどはなく、お世辞にも賑わっているとは言い難い。
というのも、新尾道駅に停車する列車はほとんど「こだま」ばかりなのだ。朝夕の、つまり通勤通学の時間帯には「ひかり」が停車したり列車の数が多くなったりもするが、日中は「こだま」が1時間に1本ペースでやってくるばかり。
数少ない列車でやってきた人も、すぐに尾道駅方面に向かう路線バスなりに乗り継いで姿を消してしまう。
駅の周りとて、国道にはたくさんのクルマが走っている反面、ロータリーはひとけがなく閑散としている。
だから、広島駅や新大阪駅の如く、一日中お客で賑わい続けている駅とは本質的に違っている。
新尾道駅は堂々たる尾道の玄関口……などというにはいささか物足りない、どちらかというと“新幹線秘境駅”に近い存在なのである。
……と、これで新尾道駅についての結論を出してしまうのは早計に過ぎる。もう少し、駅の周辺を歩いてみよう。




