初公判でみせたOとYの姿は…
大津地検は11月6日、Yを詐欺で、同7日にOを詐欺と業務上横領で起訴。そして初公判は12月22日、大津地裁で開かれた。同日付京都朝刊には、傍聴券を求めた人が21日午後9時ごろから徹夜で座り込んだとの記事が見える。初公判の記事はやはり京都の要点を見よう。
“9億円の愛”さめ果て… 滋賀銀行事件初公判開く 視線そらすO Yは自信たっぷり
女子行員として史上最大の9億2000万円をだまし取った滋賀銀行事件で、詐欺と業務上横領の罪に問われている主犯の元山科支店預金係O(43)と、大金を貢がせて詐欺の共犯に問われている愛人の元タクシー運転手Y(33)の初公判は、22日午前10時40分から大津地裁(滝川春雄裁判長)で開かれた。OとYは2月16日に大阪空港で決別して以来、10カ月ぶりに法廷の被告席で“対面”した。
記事のリードから、事件そっちのけで男女の関係をクローズアップしている。本文も次のようだ。
裁きの時、2人に交わす言葉はなかった。
自信たっぷりにOを見つめるY。Oはただ顔を伏せ、Yの視線にこたえようとさえしなかった。被告の席に立たされた2人の間には、9億円をかけた“愛”のかけらもなく、冷たい空気で隔てられていた。
この日、Oはピンクのセーターの上に黒のブレザーとパンタロン。髪を染め、薄いピンクのマニュキアと、ささやかな“女の装い”をほどこして出廷した。
罪状認否でOは横領額の一部以外は認め、Yは留保した。その後、Yが詐欺の共謀を否認したため、一時は分離されて公判は続いた。Yは一貫して「金は要求していないし、Oが悪いことをしてつくった金とは知らなかった」と主張。
対してOは、「Yに『銀行の金を都合してくれ』と言われた」「書類の偽造や伝票操作をYにも手伝ってもらった」などと共謀の事実を証言した。(つづく)
