「朝まで生テレビ!」を昔に見ていた人は「田原総一朗や大島渚が怒る瞬間はスタッフの合図が出ている」というギャグを耳にしたことがあるだろう。番組を盛り上げるためにわざとやっているんだという。
BS朝日は番組打ち切りを決定、番組側の責任も問われ…
そんな田原総一朗氏だが、BS朝日の討論番組「激論!クロスファイア」の打ち切りが発表された。田原氏は19日放送の同番組内で辻元清美氏や福島瑞穂氏らと選択的夫婦別姓を議論する中で、自民党の高市早苗総裁に向け「あんな奴は死んでしまえと言えばいい」と発言。BS朝日は「政治討論番組としてのモラルを逸脱している」として打ち切りを決めた。なお、発言部分を編集でカットせずに放送した番組側の責任も問われている。
それにしてもなぜこんな暴言を吐いたのか。田原氏は自身のXで「野党に檄を飛ばそうとした」と釈明している。しかしそうだろうか? 本当のことを言っていないのでは?
そう思うのは3年前のこの記事を覚えているからだ。
『基地問題「視聴率こない」』(朝日新聞2022年5月18日)
田原氏が司会する「朝まで生テレビ!」はこの時点で35周年を迎えていた。この年は沖縄本土復帰50年であった。そうした状況で沖縄について田原氏は答えているのだが、1987年の番組開始以来420回の放送のうち、沖縄をテーマにしたことは5回ほどだという。その理由として「残念ながら沖縄の基地問題は視聴率がこないから」と答えているのだ。
視聴率がこないのは自分のせいだと思うが、驚くのは「ジャーナリスト」を名乗る人間が公然と視聴率優先を語っていることだった。今回の暴言も刺激的な場面をつくって盛り上げる狙いだったのだろう。
