少しの乱れが「開かずの踏切」を生んでしまう
・列車ダイヤの乱れ
とはいえ、3分間隔でも計算上は1時間当たり28分の遮断時間で済むはず。しかし実際には計算通りには行かない日が多い。ダイヤが乱れると列車が数珠つなぎになるから、すべての列車が通過するまで踏切は開かない。ダイヤの乱れが常態化すると、毎日のように「開かずの踏切」が発生する。
・駅の停車時間
踏切警報機は、列車が通過する30秒前から作動する。ただし、駅の直後の踏切はそこに停車時間が加わる。万が一、電車が駅に停まれなかった場合を考えているのだ。ピーク時間帯は乗降時間も長くなるから、その分だけ踏切遮断時間は長くなる。
・優等列車
特急や急行を運行する路線の場合、速い方の列車に合わせて踏切警報機を作動させる。もちろん通過30秒前に警報器が作動するが、そのぶん各駅停車は遮断時間が長くなってしまう。この問題については対策が進んでいる。検知装置が運行種別を認知して、各駅停車の場合は警報器の作動時間を遅らせる、いわば「賢い踏切」だ。JR西日本によると、この「賢い踏切」の導入で、警報時間を30秒以上短縮した例もあるという。
・複数路線のまたがり
1つの踏切を複数の路線が使用している場合は、列車の通過本数が倍増するため遮断時間が長くなる。
かつて筆者が住んでいた東京・大森の東海道本線と京浜東北線の踏切は遮断時間が長い。複数の線路があると歩行者が渡る時間も長いため、渡りきれないお年寄りが事故に遭うこともあった。立体交差にしてほしい区間だけれども、解消に向けた動きがない。
横浜市の「総持寺踏切」は、横須賀線、京浜東北線、東海道本線、東海道貨物線など合計11本の線路をまたぐ開かずの踏切の象徴的な存在だったが、歩行者用にエレベーター付きの跨線橋を設置して、後に踏切自体を閉鎖した。
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