踏切の遮断時間は「いつからいつまで」?

 踏切の遮断時間は、列車が検知装置に到達してから踏切を通過するまでの時間だ。5両編成の電車の長さは約100メートル、時速60キロで走行すれば6秒で通過できる。この場合、踏切の遮断時間は最低でも30秒+6秒かかることになる。複線の踏切で上り下りの列車が連続でやってきたとしたら72秒だ。1分ちょっと待てば踏切は開くはずだ。

 しかし待たされるだけの1分は長く感じる。通勤通学中の待ち時間ならなおさら長く感じるだろう。それにもかかわらず、1時間当たり40分以上、ひどいときは40分以上も連続で閉鎖する踏切があるという。

 踏切遮断時間が長くなる主な理由は、「列車の長編成化」、「運行本数の増加」、「列車ダイヤの乱れ」、「駅の停車時間」、「優等列車」、「複数路線のまたがり」などがある。

ADVERTISEMENT

・列車の長編成化
 電車が1両であれば、踏切通過時間は一瞬だ。しかし前出のように時速60キロだと5両編成で6秒、10両編成では12秒かかる。作動時間が30秒前とすれば、列車1本当たり42秒も遮断される。列車がもっと速く走れば遮断時間は短縮される。しかし、踏切のある路線では速度を上げづらい。踏切内に障害物があった場合は安全に停まるための距離が必要で、速度が上がるほどその距離は長くなる。

・列車の運行本数の増加
 10両編成の列車が5分間隔で走っている路線では、1時間に12本。上り下り合わせて24本の列車が走る。時速60キロで計算すると、42秒×24本で合計16分48秒も遮断される。ただし、たまたま上り下り列車が同時に踏切に入る場合もあるから、実際はもう少し短いかもしれない。列車を増発して3分間隔にすれば、片道20本×2で、踏切閉鎖時間は28分。1時間の約半分も踏切が閉まっている。