俳優の満島ひかりがきょう11月30日、40歳の誕生日を迎えた。彼女と同じ1985年度生まれには木南晴夏、蒼井優、上戸彩、宮﨑あおい、貫地谷しほり、安藤サクラら実力派の女優がひしめき合っている(以上、誕生日順。ちなみに宮﨑は満島と誕生日も一緒である)。

 そのなかにあって満島はとくに独特のポジションを築いている印象がある。もともと俳優とは畑違いの沖縄アクターズスクール出身で、同スクールの出身者により結成されたダンスボーカルユニットFolder(のちにFolder5となる)のメンバーとしてデビューしたということもあるのかもしれない。

11月30日に誕生日を迎えた満島ひかり ©時事通信社

演技を志すもチャンスに恵まれなかった10代

 満島の両親はともに中学の体育教師で、弟2人も妹もスポーツ万能なのに、彼女だけ運動が苦手だったという。幼稚園の運動会の駆けっこでスタートのピストル音が鳴っても、なかなか走り出さないので、両親も早々に見切りをつけ、運動をさせる代わりに本をたくさん与えてくれた。おかげで一人で絵本を読む時間を大切にする子に育つ。

ADVERTISEMENT

 ただ、一方では、本を読んで想像するばかりでなく、自分も身体で表現して輝ける場所が欲しかったという。そんなとき、たまたま友達に誘われて、沖縄アクターズスクール主催の「第2回 安室奈美恵withスーパーモンキーズオーディション」を受けた。出場したほかの子たちはみんなスタイルもよくて踊りもうまいので、まさか自分が受かるとは思っていなかったが、何と優勝してしまう。優勝者は無料でアクターズスクールのレッスンに通えるというので、親に頼んで入れてもらった。10歳のときのことである。

幼い頃の満島ひかり(本人インスタグラムより)

 アクターズスクール時代は、本人に言わせると歌もダンスもすごくうまかったわけではないが、音楽がガンガン鳴るなかで好きなように踊ることで自分を解放できるのが気持ちよくて、楽しかったという。

 小学6年生のときには映画『モスラ2 海底の大決戦』(1997年)に出演、演技を初めて経験する。夏休みを返上しての撮影だったため、現場では「梅干し買ってきてくれたら演技してもいいよ」と駄々をこねたり、一緒に出ていた男の子にミミズを投げつけたために撮影が止まったりとやりたい放題で、スタッフに怒られもした。それが、いざ完成した映画を劇場で観たら、スクリーンの自分の姿に感動してしまったという。