千歳烏山駅から南へ歩いて3分のところにある「立喰そば・うどんファミリー」を初めて訪問したのは平成20(2008)年のこと。自転車で駅前通りの一本裏道に迷い込んだ時に偶然発見した。
それから幾度となく季節を重ねる度に店に伺い、女将の倉田ふじ子さんや息子さんの貞男さんとお互いの近況などを歓談してきた。
女将さんから「あと5年で店はおしまいかな…」
店での会話に、京王線高架化に伴う千歳烏山駅の再開発の話題がのぼるようになったのは平成29(2017)年頃からであった。
令和7(2025)年10月に訪問したところ、女将さんから「あと5年で店はおしまいかな…」という具体的な話が飛び出してきた。
「立喰そば・うどんファミリー」の創業は昭和60(1985)年。プロレス好きなご主人と一緒に始めた店である。家族でやっていくからということで店名が決まったという。なかなか素敵な名前である。
麺は東京都杉並区下高井戸にある明治6(1873)年創業の老舗製麺所「池田製麺」の茹で麺を使用。つなぎに山芋でも入っているのか、少しプルッとした食感がある特徴的なタイプである。
出汁は練馬区にある文化5(1808)年創業の「丸勝かつおぶし」から混合節を仕入れ、毎日ていねいに出汁をとっている。つゆは綺麗なむらさき色で、口当たりがよい。
天ぷらは野菜のかき揚げが基本で、春菊天やちくわ天もそろう。他にコロッケや茹で玉子が人気。
そして、カレーは同店の一番人気のメニューである。
玉ねぎのみじん切りと質のいい豚バラ肉をどっさり入れて、3時間ほど煮込んでいく。
毎日の作業である。







