クマ被害が相次ぐ日本社会。自衛隊の後方支援が終了した今なお、現場では水際対策が続けられ、その緊張は収まらない。現役の猟友会員でもある報道カメラマンの不肖・宮嶋が、クマ急増で浮き彫りになる“課題”を指弾する。(全4回中の1回目/続きを読む)
◆◆◆
もはや戦災レベルのクマ被害
もはや激甚災害レベルではないか。いや、いみじくも秋田県の佐竹敬久前知事が言うとおり、もはや「戦争」である。
10月28日、元陸上自衛隊員でもある鈴木健太現知事は、自衛隊の出動を小泉進次郎防衛相に要請した。さらに条件付きではあるものの、警察がライフル銃でクマなどを駆除できるよう法整備が進められ、実働部隊がすでに秋田県や岩手県で活動中である。
それでも11月30日現在、今年度すでに日本列島では13人がクマの犠牲になり、200人近くが重軽傷を負っている。この規模とこの数字は天災ならぬ、もはや戦災である。
敵は文字通りの「猛獣」である。理性や慈悲もなければ、憐れみも常識すら持ち合わせず、もちろん「話し合い」も通じない。犠牲になった多くの方々はお年寄りである。これを「戦争」、「有事」と言わずして何という。
現役ハンターはどう立ち向かうか
そんな最恐の敵に対峙していたのが、あくまで趣味の団体でもあり、不肖・宮嶋も加入している「猟友会」や民間のハンターであった。
実は不肖・宮嶋、生業は杉並税務署も認めた「報道写真家」であり、この稼業を始めてすでに40年以上になるが、余暇では狩猟歴30有余年、現役ハンターでもある。
我らの税金で弾を支給される警察官、自衛隊員と違い、自腹で一発400円から1000円の実弾を購入し、射撃練習に励み、出猟する際の足となるクルマにも自腹でガソリンを入れているのである。

