茂みの中に箱わなを発見
県庁所在地の日中だというのに通りに人影はまばらである。特に日没後には「ここが新幹線の終着駅と県庁所在地か」とは信じられないほど、人が歩いていないのである。
これでは非力なお年寄りや子供らは一人でコンビニにも入れない。通りから人気が消えるわけである。
まだ日が暮れたばかりやというのに、人気が絶えた鹿角花輪駅前通りはシャッターが下ろされた商店ばかり。こんな日がまだまだ続いたら、この駅前商店街はどうなってしまうのであろう。煌々と灯りがともるのは駅前のコンビニくらい。そのコンビニの自動ドアも閉じられたままである。
そんな秋田県下の自衛隊と猟友会の箱罠設置やその回収活動等も取材せんと、恐る恐るながら畑作業に出ている農家の方々や、山間部で林業伐採している作業員に情報を聞いて回る。皆、東北弁ながら立て板に水とばかりにお教えくださる。そのほとんどの方が道路上で、自らの畑や庭でクマを目撃したばかりか、懐からスマホを取り出して動画を見せてくれた。
それら情報をもとに発見した箱罠のほとんどは、民家や道路に近い畑や茂みにあった。もはや相当数がすぐそこの茂みや林に潜んでいると覚悟しなければならないだろう。
箱罠を回収する自衛隊部隊に遭遇
それだけの数のクマに対処するためには、現在の猟友会と自治体による駆除、出動した警察、自衛隊部隊の規模では到底無理であろう。
いや、規模と予算を増やせば時間はかかるが、できるはずである。それくらいの決断と覚悟が政府にあるのか。今から準備を始めなければ、クマ被害は来年、いやこの冬季も増え続けるのではないだろうか。
そんな雪が降り止まぬ鹿角市の山間部で、箱罠を回収していく猟友会と自衛隊部隊に偶然遭遇した。
