赤坂や銀座の一流クラブに出入りしていたK
大言をはくクセ K
Kとはどんな男だろうかーー。捜査本部の調べに対し、Kは本籍地が韓国慶尚南道で、父親(47)は現在福島県におり、キャバレー、パチンコ、不動産業などを手広く経営していると供述した。Kはこの父と日本人の母(45)の間に横浜で生まれた。1962年、福島県の水産高校を卒業。東京・浅草の食品問屋に住み込みで働いていたが、昨年、父親から商売の元手として1000万円(同約4080万円)をもらい、「水商売」を始めようとしたが、「時期が悪い」として店を辞め、芸能ブローカーと金融業を始めたという。もらった金のうち800万円(同約3300万円)は銀行に預けたと言っている。
そうした“大言”を周囲に印象づけるように高級マンションに住み、外車を乗り回し、赤坂や銀座の一流クラブやバーにしょっちゅう出入りしていた。いつも上下そろいの背広に色物のオープンシャツといった粋ないでたちで出歩いていたという。しかし、いつも金をやりくりして内情は相当苦しかったようだとKを知る人は口をそろえる。大言を吐く癖は取り調べの時にも出ており、有名な女性歌手のマネジャーだと言うので調べたところ、その歌手の関係者らは「聞いたこともない名前だ」と否定した。共犯とされた少年Aに対しては「歌手にしてやる」と言っていた。
調べに対しても、はじめは「殺したのはオレではない。殺し屋だ」などと言い逃れしようとしたが、遺体の一部が見つかったことを捜査員から伝えられて観念したのか、自供を始めた。それによると、自分が韓国人であることはいままで誰にも言っていなかったが、Mさんにだけは打ち明けていた。それほど2人は親しく、共同で事業をしようとしたこともあった。昨年9月ごろにはМさんから、季節料理店を開くための金策の相談を受け、金を貸したとも言っているが、彼の日頃を知る人たちは「そんな金を持っていたとは思えない」と語っている。


