新YouTubeチャンネルと「日本茶で世の中を潤す」は同じベクトル

――お茶のカフェのビジネスも始められているそうですが、斉藤さんは今後、何を目指すのでしょうか?

斉藤 そうですね。実は『闇病み子のホモサピラジオ』で病み子がやりたいことと、僕がお茶でやりたいことは、ベクトルとしてはかぶっているんですよ。

――病み子さんは「地球人の不安を解剖しながら現代人類のことを知りたい」と。そして斉藤さんは「日本茶で世の中を潤す」とおっしゃっています。

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斉藤 僕の中に「不安とうまく付き合う方法を発信することで誰かの役に立ちたい」そうすれば「結果、自分も嬉しい」という考えがありまして。病み子が悩み相談を受けるっていうのは、その1つの手段です。

 そしてもう1つ、別の手段として考えているのがお茶なんです。茶文化は非常に歴史が長い文化で、そこに詰まっている思想もすごく濃い。僕からみると、それが現代を生きる人にもすごく役立つんです。そのお茶文化を使って「誰かの役に立ちたい」と始めたのがお茶カフェなんです。

©︎文藝春秋

――これから茶道の文化を広めていきたい、ということですか?

斉藤 茶道の思想も含めて伝えていきたいです。

 例えばですよ。SNSで名言が流れてきて「ハハア!」って感銘を受けたりするじゃないですか。でも大体、次の日には「なんだっけ?」と思い出せなくなってる。それがですね、仏教でお経を唱えるのは、そういうのを忘れないための習慣としてあるんだな、と気づいて。

――確かにあらゆる宗教で、決まった時間にお祈りしたり、何かを唱える習慣があります。

斉藤 そういう習慣が、日本では一般にはないんですよね。そこで僕は今「マイお経」みたいなモノを自分で持っているんです。お経みたいに声に出して読み上げたりはしないんですけど「こうすればゴキゲンに生きられる」ってことを日々考えて、ちょっとずつ書き直したりして毎朝、見直している。

心を整理する場所を提供したくて始めた「お茶カフェ」

――それが、茶道と繋がるんですか?

斉藤 茶道は、東洋思想の「道教」に「禅」が反映された文化だといわれる背景があります。茶道って禅の思想を、人の所作や器、空間作りや建築とか全てのものに、目に見える形や体験できる形で反映した文化なんです。

©︎文藝春秋

――茶道は宗教に通じているんですね。

斉藤 ただ僕はこれをそのままドンっと提示して現代に適用させようとすると、拒絶されるなとは思っているんですよ。

――受け入れやすくはないですよね。難しそうですし……。

斉藤 わかりにくさもあるし、特に日本人って宗教っていうだけでちょっと距離を置くから、そこを伝えるのって難しいなってずっと頭を悩ませてるんです。

――これから模索して広めていくんですね。大変な道のりなのでは?