――それでも、復帰1年後にはWTA(女子テニス協会)ツアーで優勝しただけでなく、世界最年長勝利記録を幾度となく樹立しました。

伊達 47歳まで約10年間世界ツアーを回りましたけど、この間は本当に楽しかったです。選手はみな若く、どちらかというと選手のお母さんたちと同年代なので、会話する人数が増えるんですよ。もう、ツアー全体が大家族みたいな感じになって。

 食事も現地の名物料理を随分堪能できたし、この時代にお酒の味も少し覚えました。

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 現在は私の時代と違って、優勝金額がケタ違いに高くなっています。今年のWTAファイナルズの優勝金額は8億円。女子ランキング上位の選手は、賞金だけで20億~30億円を普通に稼げる時代になっています。だからこそ、日本人女子選手に早く世界に飛び出して欲しい。そのお手伝いが私の使命と考えています。

 

「世界で戦える選手たちの拠点を」伊達公子が描く“夢”

――夢はいつ頃達成できそうですか?

伊達 2025年1月全豪オープンジュニアで優勝し、5月にはジュニアランキング1位になった園部八奏(わかな)選手がいますが、昔から日本はジュニアからプロに移行した後にスピード感を持って成長することに苦しむ傾向が強いんです。

 本当はキッズ、ジュニア、シニアと一貫して指導できるアカデミーを作りたいんですよ。でもそれには広大な土地や優秀な技術コーチを招く必要があり、多額の資金が必要です。いつかは日本国内から世界で戦える選手たちが拠点とできるアカデミーを作りたいと真剣に思っています。やりたいことならばできないことはない。「Why not」(なぜやらないの?)の精神で頑張りたいなと思っています。

 私の人生プランは、アカデミー出身の選手たちが世界で活躍する姿をお昼寝しながらウトウト眺めつつ、120歳で息を引き取ることなんです。

写真=末永裕樹/文藝春秋

だて きみこ/1970年京都府生まれ。6歳でテニスをはじめ、高校3年生の時のインターハイでシングルス、ダブルス、団体の三冠を達成。卒業後、プロ転向。全豪、全仏、全英でベスト4 に入るなど世界のトップで活躍。1995年には自己最高の世界ランキング4位を記録するも、翌年26歳で現役を引退。2008年、「新たなる挑戦」を宣言し、37歳で11年半のブランクを経て現役復帰。日本テニス界を牽引してきたが、2017年に二度目の現役生活に終止符を打つ。2018年に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学し、1年間の修士課程を修了。現在は日本女子テニス界の発展、ジュニア育成、さらにはテニス界の環境整備に力を注ぐ。

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