15畳はありそうな巨大なリビング、40インチほどの薄型テレビ…驚くほど充実した住環境
家の中に足を踏み入れて、その充実ぶりに驚かされた。まず目に飛び込んできたのは、15畳はありそうな巨大なリビングだ。天井も高く、リビングの壁の中央には、40インチほどの薄型テレビが設置されている。
「実家に帰ってきた時は、友達を呼んでマンチェスターユナイテッドの試合を観るんだ。その時間が最高だよ」
テレビの前には、コの字型にソファが配置されていた。ケニアの家庭では人を招くことが多いため、リビングにやたらとソファを置く傾向があるのだが、エティーリの家のソファセットは特に大きく、軽く10人は座れそうなサイズだった。真ん中には立派なテーブルが置かれ、まさに大家族や友人たちとの団らんの場として設計されているのがわかる。
奥には複数の寝室があり、独立したキッチンも1つの部屋として確保されている。清潔なシャワールームとトイレも完備されており、日本人の感覚で見ても十分に快適な住環境が整っていた。
「日本の大学生が、5000万円の家を現金一括で購入するのと同じ」キャッシュで豪邸を購入し、母にプレゼント
こうした住宅は、ナイロビなどの都市部では見ることができるが、それでも高所得者層が住むエリアに限られる。田舎町のニャフルル、かつ中心部から離れた立地となると土地の価格は安いだろうが、それでも建築には一定の費用がかかるはずだ。失礼を承知で、いくらかかったのか聞いてみた。
「こんなに大きな家だとは想像していなかった。すごい家だけど、どれくらいかかったの?」
「400万円くらいかな。昨年、お母さんにプレゼントしたんだ。現金一括で支払ったよ。それとは別に、生活費として月に3万円を送金している」
日本人の感覚では「新築で400万円」と聞くと安価に感じるが、ケニアの平均年収は100万円程度。しかもこの数字は、ケニアの国家統計局(KNBS)が発表しているもので、統計対象が給与所得者のみとなっている。現実のケニアの労働環境は統計には反映されない自営業や零細農業者、日雇い労働者が全体の就業者の8割を占めている。
こうしたインフォーマル事業者の所得は正確に把握しにくく、適切な統計が存在しないのだが、国際労働機関(ILO)とケニアの雇用者連盟が共同作成したレポートでは、零細事業者の平均月収は3万円前後となっている。



