NHKの紅白歌合戦に、AKB48が2019年以来6年ぶりに出場する。2007年に「アキバ枠」で初出場を果たし、2013年の紅白では大島優子が放送中に卒業発表をし大きな話題に。その後は……。(全3回の3回目/はじめから読む)
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大島優子の突然の卒業発表の“余波”は翌2014年の紅白歌合戦にもやや残った。この年の紅白では披露する楽曲「心のプラカード」にちなんで、メンバーがそれぞれ自身の思いを書いたプラカードを掲げた。
大島優子の卒業発表に続いて…小嶋陽菜の“匂わせ”
このときのリハーサル中の取材で、本番でサプライズがないかと訊かれた高橋みなみ(当時、AKB48総監督)が「イヤー、ちょっとお願いしますね!?」と小嶋陽菜に向けて牽制するように視線を送った。すると小嶋は「去年の紅白が最後だと思っていたら、まさかの一周しちゃって……。いま、プラカードを仕込んでいるので(本番を)見てください」と、前年の大島に続く紅白での卒業発表を匂わせたのだ(「東スポWEB」2014年12月29日配信)。
それだけにファンをやきもきさせたが、いざ本番では、小嶋は「テレビの前のお父さん」と掲げると、それに続く柏木由紀の「まだまだ寝させないぞ」でメッセージを完成させ、まんまとサプライズを回避した。大島優子が《私がAKBのなかで絶対にまねできないと思うのが小嶋陽菜です。あの生き方はすごい。ぬらりくらりと(笑)》と口にしていたのが(『AERA』2014年1月13日号)、この一件からもうなずける。
なお、この年の紅白出場を前に高橋は卒業を発表、「こじはる(小嶋)より先に卒業するとは思わなかった」と発言していた。ただし、高橋はこのあとも1年以上グループに在籍し、翌2015年にも紅白に出場したうえ、自身の25歳の誕生日である2016年4月8日をもって卒業している。
視聴者の投票で選ばれた「夢の紅白選抜」
一方の小嶋が卒業を発表したのは2016年6月だった(実際に卒業するのは翌年)。この年の紅白では「夢の紅白選抜」と題して、視聴者1人につき1票のみという条件の投票によりステージに立つ48人を選んだ。小嶋は本番の前月、単独で出演したイベントで「“最後の紅白”なのでみなさん、ご祝儀で投票してほしい」と手を合わせてお願いしていた。もっとも、本番で発表される順位については「あまり低すぎなければ、出れたらありがたい」とさほどこだわってはいなかったらしい(「オリコンニュース」2016年11月24日配信)。
ふたを開けてみれば、小嶋は無事に選抜入りし、本番中、メドレー1曲目の「RIVER」のあとで発表されたランキングでは7位に入り「神7」の面目を保った。1位に輝いたのは、NMB48の初代キャプテンで歌唱力に定評がある山本彩で、メドレー2曲目の「君はメロディー」で堂々のセンターを務めることになる。センターをはじめとするポジションは順位別に決められたため、選抜メンバーはまさにぶっつけ本番でパフォーマンスを行った。





