渡辺麻友のセンター曲が1位に
2017年には、今度は「視聴者が選んだ夢の紅白SPメドレー」と題してメドレーで歌う3曲を視聴者投票によって選出、本番のステージ上で発表された。結果は3位が「大声ダイヤモンド」、2位が「365日の紙飛行機」、そして1位にはこの年いっぱいで卒業する渡辺麻友がセンターを務める「11月のアンクレット」が選ばれ、花道を飾った。
さらに2018年の紅白直前には、指原莉乃が平成から元号が変わる翌春にHKT48を卒業すると発表していた。指原は最後となるこの年の紅白で、自身のセンター曲「恋するフォーチュンクッキー」を、国内の48グループから選抜したメンバー16人(指原を含む)とタイ・バンコクの姉妹グループ・BNK48とともに披露した。BNK48はこの年、同曲をタイ語でカバーして現地で大ヒットさせていた。曲の終盤では、総合司会の内村光良が往年のバラエティ番組の人気キャラクター「ミル姉さん」に扮しバックダンサーに交じってサプライズで登場、「指原放牧」「がんばれ」と書かれた看板を掲げ、指原にエールを送っている。
2019年で紅白出場が途絶えた
黄金時代を築いた一般にも広く知られたメンバーたちが年を追うごとに卒業していくにつれ、AKBの存在感はかつてとくらべると薄くなっていった。毎年恒例となっていた選抜総選挙も、海外の姉妹グループのメンバーも出馬した2018年を最後に行われていない。国内の各グループもこのころを境に運営会社がそれぞれ分かれ、AKBのシングルや握手会に姉妹グループのメンバーが参加することがなくなる。
そんな変化のなかで出場した2019年の紅白でAKBは「恋するフォーチュンクッキー~紅白世界選抜SP~」と題して、アジアの各地の姉妹グループのメンバーとともにパフォーマンスを行う。1期生は翌年に卒業を控えていた峯岸みなみを残すのみ、ほかに10年以上在籍するメンバーは柏木由紀とSKE48の須田亜香里というなか、センターを務めた小栗有以をはじめとして若手中心のメンバーで臨んだ。
リハーサル時の取材で、当時のAKB総監督・向井地美音は《紅白に出させていただくのも当たり前じゃないんだと本当に感じて、今まで以上に出場がうれしかった。感謝や初心を忘れることなく来年も頑張っていきたい》と喜びを噛みしめた(「日刊スポーツ」2019年12月29日配信)。しかし、残念ながらAKBはこのあと5年間、紅白への出場が途絶えることになる。




