NHKの紅白歌合戦に、AKB48が2019年以来6年ぶりに出場する。ステージでは現役メンバーに加えて、この12月8日に迎えたグループ結成20周年を記念し、卒業生からも前田敦子・板野友美・大島優子・高橋みなみ・小嶋陽菜・指原莉乃・峯岸みなみ・柏木由紀(以上、卒業順)の8名が集結し、「AKB48 20周年スーパーヒットメドレー」と題して「フライングゲット」など4曲を披露すると告知されている。(全3回の1回目/続きを読む)
「アキバ枠」で2007年に初出場
AKB48の紅白出場は今回で13回を数える。初出場は2007年。2005年に東京・秋葉原のAKB48劇場を拠点に結成され、「会いに行けるアイドル」をキャッチフレーズとして毎日の公演を始めて2年を経ての出場だった。出場が決まったとメンバーに伝えられたときには、嗚咽にも近い喜びの声が響き渡ったという。
ただし、このときの出場は単独ではなく、秋葉原発のオタクカルチャーを代表する存在として中川翔子やリア・ディゾンと一緒に「アキバ枠」という形となった。出場発表後の記者会見でも、レポーターから「秋葉原のオタクの方たちって、……スゴイんですよね?」といった質問が飛び、あげく「アキバ48(よんじゅうはち)」とグループ名を間違えられた。
高橋みなみの誓い「絶対に『AKB48さん』と言ってもらう」
そうしたマスコミの反応に対して、1期生の高橋みなみは、自分たちにまだ力がなかったからと認めつつも、メンバー全員が頑張っているのにアキバというイメージでひとくくりにされたばかりか、劇場に来てくれているファンが軽く見られていると思い、《悔しくて悔しくて……心の中で泣きながら『絶対に「AKB48(エーケービーフォーティエイト)さん」って言ってもらえるようになる』って、誓いました》とのちに明かしている(週刊プレイボーイ編集部・編『AKB48ヒストリー 研究生公式教本』集英社、2011年)。
もっとも、2期生の宮澤佐江の証言では、《『紅白歌合戦』の初出場は、「アキバ枠」でしたが、みんなリハーサルから興奮していて、この枠で悔しいというメンバーはいなかったかな。まだ世のみなさんに認められているグループという雰囲気ではなかったし、出られただけでうれしかった》という(『日経エンタテインメント!』2015年6月号)。




