《NB並みの品質価値》の「NB」は「ナショナル・ブランド」の頭文字で、「PB」=「プライベート・ブランド」の対義語だ。ここでは“標準価格帯の商品”という意味合いで使われている。つまり発売当初から〈ごつ盛り ソース焼そば〉の評価が高かったことが、この記事から読み取れる。

 2015年7月に〈ペヤング〉が販売再開した後も、〈ごつ盛り ソース焼そば〉の売上げは下がらなかった。2018(平成30)年9月28日付の『日本食糧新聞』に、同年1月から8月までのカップ麺ランキングが掲載されている(8頁)。そのランキングからカップ焼きそばを拾い読むと、〈ごつ盛り ソース焼そば〉は〈U.F.O.〉〈一平ちゃん〉に続く3位の座を維持していた。

2023年には売上げ1位に

 さらに2020(令和2)年の世界的な新型コロナ禍、2022(令和4)年のロシアによるウクライナ侵攻で、小麦粉や石油価格、人件費が急騰した。原価の高騰を受けて各社の即席麺が段階的に値上げを繰り返す一方、オープン価格の〈ごつ盛り ソース焼そば〉は相対的に割安感が高まり、さらに売上げを伸ばした。

ADVERTISEMENT

 標準価格帯とオープン価格帯は、実際にどの程度の価格差があるのか? それについてはオンラインDB「日経テレコン」の、POS情報を使ったランキングである程度確認できる。たとえば主要なカップ焼きそばの2023年の実売価格をまとめたのが下の表だ。

 このデータによるとオープン価格帯の〈ごつ盛り〉は、標準価格帯の商品に比べて、実売価格が20~30円ほど安いことがわかる。しかも〈ごつ盛り〉の麺量は、通常商品の1.5倍だ。消費者が割安だと十分に実感できる価格差といえるだろう。

 その割安感が奏功したのか、2023(令和5)年には「日経POSセレクション売上No.1」で、〈ごつ盛り ソース焼そば〉が、あの〈日清焼そばU.F.O.〉を抑え、即席カップ焼きそば部門で「売上げNo.1」の称号を獲得した。

 1年間のPOS情報を元に各ジャンルで最も売れた商品を顕彰する賞で、長らく首位を占めてきた〈U.F.O.〉に土をつけたのだ。

 その後も現在に至るまで、〈U.F.O.〉と〈ごつ盛り ソース焼そば〉は、カップ焼きそばジャンルで単品での売上げ首位の座をめぐり、一進一退の攻防を続けている。ただし、そのことを知っている消費者は、ほとんどいない。