――お母様は、ダメ男ばかりからモテるタイプ。
梶原 そうですね。尽くしすぎてしまうというか。「ヒモ生産工場」みたいなところがありました。父はそれを見抜いて、スッと近づいていったと。
「詐欺に引っかかったようなもの」指名手配中の父親からのプロポーズを母親が受け入れたワケ
――プロポーズは突然に?
梶原 いきなり母のアパートにやって来て、「僕と結婚してください」と言ったそうです。指名手配されている身でありながら。
――指名手配中のプロポーズですか。
梶原 手配されていることを隠してプロポーズしたんです。だから母は「詐欺に引っかかったようなものだ」とよく言っていました。でも、父はイケメンでしたし、上手に頼ってくるから、ついつい受け入れちゃったんでしょうね。
――お父様は身長176センチ。当時としては高身長だし、風貌もB.V.D.やグンゼの下着のモデルっぽいといいますか、いかにも昭和のハンサムですよね。
梶原 父は1948年生まれですから、戦後世代でその身長は大きかったと思います。でも、手配書には「欧米人風の顔立ち。上半身に比べ、下半身はやや短し」と書かれていて(笑)。
「籍を入れたら、役所で指名手配犯だとバレてしまう」
――自分が追われている身であることは、いつ明かしたのでしょうか。
梶原 それは、けっこう後になってからだと思います。まずは関係を深めて、「もう話しても大丈夫だ」という段階になってから、「実は僕……」と打ち明けたんじゃないでしょうか。いきなり言ったら断られますから。
――籍を入れずに事実婚という形を取った理由は?
梶原 そりゃあ籍を入れたら、役所で指名手配犯だとバレてしまいますから。
――『爆弾犯の娘』は梶原さんが池袋で暮らしていた10歳頃からのエピソードから始まりますが、それ以前はどのような生活を送っていたのでしょう。
梶原 その前から基本的に生活はずっと同じでした。4歳頃の記憶もありますが、あまり幼い視点から書き始めると、子どもっぽい内容が多めになってしまうので、10歳からにしたんです。

