雑草に覆われたホーム跡

 ホームの上には駅名標も残っていて、駅前だろう一角にはほんの小さな商店街。駅前広場らしき場所には小さな木が生えて、その脇には電話ボックスと丸いポストがぽつねんと。

 
 

 古いホームやレールも味わい深いが、駅前の雰囲気が残っているのも想像力を刺激する。列車に乗る前にポストにハガキを投函したり、列車を降りてから家に「いま駅だから」なんて電話をかけたりしたのだろうか。電話ボックスとポストが鉄道現役時代からあったかどうかはわからないけれど。

 

 大隅松山駅からは、志布志線は県道110号線に沿うようにさらに山の中へと入ってゆく。ただし、廃線跡は県道からは少し外れた茂みの中へ。

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 廃線跡らしき道筋があったから少し辿ってみたけれど、とてもじゃないが先まではいけなそうだ。いくらクマのいない九州とはいっても、野生動物は怖いですからね。

せっかくなので徒歩で移動

 次のバスまではまだだいぶ時間があったから、県道を歩いて隣の岩川駅に向かう。大隅松山駅から岩川駅までは4.4kmだ。

 

 歩けばだいたい1時間の道のり。しばらくは林の中を進み、少し先で大きく景色が開けてくる。広がっているのは畑か牧場か。

 

 実はこのあたり、戦時中には岩川海軍航空基地が置かれた軍の町だった。戦争末期、沖縄戦に出撃して主に夜間攻撃に従事した「芙蓉部隊」という部隊があったという。