ディーラーで担当者の「ウソ」を見抜く方法

 なぜ今、この商品が売れているのか? なぜこのサービスを多くの人が求めているのか? こうした視点を常にもって社会と対峙することが極めて重要だということを熱くご指導いただきました。本当にこの言葉は私の胸に刺さりましたし、刺さったまま今日に至っています。

 似たような話としては、ビックカメラでもヨドバシカメラでもどこでもいいのですが、「エスカレーターを降りて最初に目につく陳列商品は要チェック」というのもあります。つまり、そこがもっとも売れ筋のものを置いていることが多いというのです。

証券マンたちは、エスカレーターの前にある商品に注目している ©GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

 もちろん、商品によっては、そうではないケースもあるかもしれませんが、量販店にとってエスカレーター前は勝負棚だというのです。そこには今もっとも売れている商品をラインナップする傾向にある。だったら、投資家はせめてそこに何が置かれているのか、それを少なくとも毎月見にいかなければダメだというわけです。

ADVERTISEMENT

 つまり、定点観測の重要性ですね。また、「CMをよく見ろ!」というのもありましたね。今はテレビに出演させていただいているので、そんなことは口が裂けても言えないわけですが、当時はテレビのCMといったらトイレタイムくらいにしか思っていませんでした。でも、私の先輩は投資家ならCMは要チェックだというのです。特に新商品の新CMは絶対にチェックしろと。

 なぜならば、各社社運をかけてCMを打ち、もしその新商品が大ヒットすれば間違いなく株価に影響します。つまり、CMに流れた新商品が大ヒットするか、しないか、それを正確に予測できる人間は超一流投資家だというわけです。

 また、自動車が売れているかどうかを見極める証券マンならではの情報収集のノウハウもおもしろかったですね。まず、適当に3カ所くらいの同じ会社のディーラーに行って、「この車、人気ですか? 売れていますか?」って聞け、というわけです。そうすると販売員は全員、例外なく「売れています」と答えます。

 そこで、「在庫ありますか?」と聞けというんです。「在庫がたくさんあります」と言われたら、本当に売れているのかどうか疑えというわけです。なるほどなぁー、と思いましたね。

 さらに在庫がないと言われた時、「納車にどのくらいかかりますか?」と聞けと。そしたら「そうですね、1カ月以内にはご提供できます」と言われたらかなりよい感じです。ところが、「納車は半年先です」と言われたら、人気はあるかもしれませんが、生産が需要に追いついていない可能性があります。ということは、会社の売上にはならないわけです。こういう会社もダメだというんです。