推し活ブームが依存を促していると感じてしまう

出井 エンタメで不幸せにならないでよっていうのはありますよね。そんなもんじゃないよエンタメなんて。そんな大したものじゃないからこれ、俺たちがやってることなんて。皆さんの人生のちょっとした彩りのためにこっちは全力でやってるから、ちょっと楽しんでもらえればそれでいいし。

  それだけのことにすごい依存度で取り組まれるのは危険だと思う。本来の楽しみ方じゃないと思います。そこをどうも最近は推し活ブームだとかにかこつけて依存を促してるように感じてしまうんですよ。

 

――依存を促している、確かに。

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楢原 アクリルスタンドというわけのわからないものを作り上げて、そこから搾取しようってね。僕らのファンにはそんな目にあってほしくない。

出井 エンタメが、推す側の人生を侵略しようと躍起になるって、本来のエンタメが果たすべき役割と逆だと思うんですよ。特に我々がやってる漫才って、もともとは幸せを祝うものなんだから、みんな人生幸せでいてほしい。

楢原 やっぱりエンタメって先進国の文化だと思うんですよ。余裕があるからこそ我々みたいな仕事が成り立ってる。皆さんが豊かであるからこそ我々に還元されているお仕事なわけで。だったら我々も皆さんの日々の辛さを少し癒す、そのほんの一部になれたらラッキーだなって思う。

 

「あなたの人生、あなたが主人公ですよ」

――漫才をより楽しむためにも、まずは自分の人生を大切にするということですね。

楢原 政治に興味を持つっていうのもめちゃめちゃ大事なんだと思います。自分の生活が変わるチャンスがある。それが民主主義なわけじゃないですか、一応。だからそういうところにもっと熱を持ってくれた方が、エンタメとしてもありがたいかなって思う。

――M-1終了後のトークイベントでおっしゃってた「喜怒哀楽までも芸人にアウトソーシングをするな」という発言にも繋がりますね。

出井 僕「主人公すぎる」っていう表現がすごく嫌いなんです。まあ大谷翔平くらいまでいったらそういう表現も当てはまるのかもしれないけど。M-1の決勝に出てる芸人を「主人公すぎる」って感じるほど思い詰めて見るのはほんと健全じゃないよって。何言ってんだ、あなたの人生、あなたが主人公ですよっていう。あなたが主人公なんだから、そこで頑張ろうよ。友情も勝利も挫折も全部芸人にアウトソーシングして、なんかやった気になってんじゃないよって。