ヤクザより手品師の方がラクでいい
――いま、台湾の台中市で取材しているわけですが……。目の前で地元のチンピラが警察に手錠をかけられてますね。あと、道の向かいに不健全なオーラを放つマッサージ屋が2軒あります。あれも黒幇が関与を?
コーラ あいつはたぶん薬物所持容疑だな。向こうの2軒のマッサージ屋は竹聯幇の大哥(アニキ)がやってるやつだ。もっとも、店に入ると40代くらいのおばちゃんが出てきて……。
――まあ、絶賛大人気! とはならなさそうなお店ですね。
コーラ うん。昔と比べると黒幇はだいぶキツいんだ。いまの台湾はマトモな社会だから、法律の締め付けがしんどい。「台湾でデカいことはもう無理だ」って、みんな言ってるよ。カタギの商売に鞍替えしてるやつもかなり多いんだ。
いまは黒幇なんてやるもんじゃない。俺の同世代の兄弟(ヤクザ仲間)は堂口(X次団体)を任されていて、俺も竹聯幇の組織に残ってればそうなってるはずだけど、めんどくせえから絶対イヤだ。手品師のほうがいいよ。自由な身の上のほうがいい。
――堂主(X次団体組長)はめんどくせえんですか?
コーラ いまの若いやつら、侠気とかの理由じゃなくて、カネを稼げる大哥(親分)にしかついてこねえもん。法律の縛りが厳しいのに稼ぐのはしんどいぞ。むかしは、廟会(地元の祭り)で動きがイイやつを大哥がスカウトしていたが、現代はそういう時代じゃねえ。
李登輝の時代(※)まではよかったよ。人をぶん殴って強けりゃOK、脳みそはいらねえ。で、盛り場ウロついてりゃカネは勝手に入るし、女の子にもモテる。水商売のお姉さんが、服とか買ってくれたんだぜ。そもそも、国会議員の半分は黒幇だったしな。マジの話だ。
※注:李登輝時代は国民党政権。国民党は選挙を黒幇の集票力にかなり依存していた。
