ジャパネットグループの「クルーズ旅行」が、完売続出の人気になっている。豪華客船で行く日本一周ツアーなどを販売し、料金は数十万円からと高額ながらシニア層を中心に厚い支持を獲得。乗客の約8割がクルーズ旅の未経験者で、販売開始から約8年での累計乗船人数は14万人に達する(2025年11月時点)。
「クルーズ=富裕層の楽しみ」というイメージもある中、どのように未経験の人たちにアピールしていったのか。ジャパネットツーリズム クルーズ企画戦略部の藏座(ぞうざ)美菜子氏に聞いた。(全3回の3回目/最初から読む)
掟破りの「一隻丸ごとチャーター」に踏み切ったワケ
ジャパネットでは、2017年からクルーズ事業へ本格的に参入。取引先から「売ってみませんか」と提案され、自社で売る前にまずは乗ってみようと髙田旭人社長などが自ら乗船したところ、「これは売れる!」と確信したという。
「富裕層しか乗っていない敷居が高いものだと思っていたけれど、料金の中に航海中の飲食費用がほぼ含まれているうえにエンタメも豊富で、1泊あたりで換算すると、むしろコスパが良い、とイメージが覆ったそうです。
地域をまたいでも荷物を詰め直す必要がなく、手ぶらで観光できるのも快適だと。ジャパネットの強みを生かせば、より価値を磨いて広く届けられると確信して参入を決めました」(藏座氏)
旅行会社がクルーズ旅行を扱う場合、船の会社から船内の部屋を一部買い取って自社のパッケージ商品として販売するのが通常だ。そのため、金額やサービス内容は多少違うが、どの会社のツアーも行き先や出港日、船内のエンタメは共通となる。
ジャパネットも当初はそうしたスタイルで販売していたが、「それでは上質なサービスを届けづらい」として、2018年に「一隻丸ごとチャーター」に方針転換した。
「船内に設けていたジャパネット専用のお問い合わせデスクに、別の旅行会社のお客さまがたくさん来られるなど混乱があり、顧客満足度を上げるのが難しいと判断しました。当社調べでは、日本企業で定員5500人規模の船を年間数回単位でフルチャーターしているのは、唯一うちだけです」(藏座氏)

