まるで渋谷の109みたいな…

 改札前から北口に出ると、バス乗り場などのあるロータリー。その脇に、「狛江エコルマホール」という複合施設が建っている。駅に近い正面入口は円形のタワーになっていて、なんだか渋谷の109みたいだ。

 

 で、その中にはスーパーマーケットや家電量販店のノジマ、そしてドトールコーヒー。とどのつまり、狛江駅は駅とその目の前の小さなエリアだけで、これさえあればなんとかなるよね、といった施設がピシッとまとまっているのだ。

 

 さらに言えば、駅前には銀行、もう少し(といっても5分ほど)足を伸ばせば市役所もあるし、ラーメン屋もあるし。面積が日本で2番目に小さいからなのかどうなのか、実にコンパクトにまとまっている町である。

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 こういうタイプの駅前に共通していることは、賑やかな駅前やメインストリート(狛江の場合は「狛江通り」がそれにあたるのだろう)から少し脇道に入れば、うってかわって静かな住宅地になるということだ。

 狛江もまさにそういう町だった。市役所沿い、また市民センターなどのある狛江通りから本町通りの角を曲がり、さらに脇道に入るとまったく大通りの喧噪も聞こえない。

 

 ラーメン屋どころかコンビニひとつなさそうな、静かな静かな住宅地。道が細く曲がりくねっているのは、昔からのこの地域の地形にあわせた古い道だからなのだろう。

古代の昔から使われた「品川道」

 地図を見てみると、この道は「品川道」というらしい。古代の昔、武蔵国の国府が置かれた府中から海の玄関口だった品川湊(目黒川河口付近)までを結んでいた。つまり、相当に重要な道だったのだ。きっと、物資や朝廷の役人が行ったり来たりしていたに違いない。

 

 が、いまの品川道にはその面影はない。人通りの多いメインストリートは直線で通る狛江通りに譲り、家路につく人たちが行き交う生活道路。妙に人通りが多いのは、駅前から続く近道になっているからなのだろう。

 そんな人の流れに逆らうようにして、駅前に戻る。