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いま食べたい、東京「夏うどん」ベスト3 うどん大好きライターが厳選!

「カレー」「冷やし坦々」「サラダ」で残暑も吹き飛ばす

2018/08/13

genre : ライフ, グルメ

クレソン、ミョウガ、大葉で涼感たっぷり「サラダうどん」

 水風呂に入った後のような、あの得も言われぬ爽快感を食後に味わえるうどんがある。中目黒で20年ほど続く「豊前房」の、この時季人気の「香味野菜のサラダうどん」だ。

現在の店主、佐藤克明さんは2代目

 通年提供されるメニューではあるが、個人的にはこの暑い時季にこそお薦めしたい一杯だ。凛とした器といい、クレソン・ミョウガ・大葉などの香味野菜といい、涼感たっぷり、夏らしさ全開! なのである。

香味野菜のサラダうどん1050円

スープの酸味で身体がみるみるリフレッシュ

 鰹節や昆布のだしをベースにした冷製かけつゆは、ごくごく飲めるように考慮されたであろうすっきりとした味わいながら、白醤油や九州の赤酒を使ったユニークなかえしだろうか、どこかモダンな印象も。隠し味にと加えた米酢とゴマ油の黒子感もいい。飲むほどに嫌みのない酸味に胃袋が目覚め、汗ばんだ身体がみるみるうちにリフレッシュされていくのを感じる。そして、麺。岡山の製麺所から取り寄せる手延べ麺というのも東京ではなかなか珍しい。

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つやつやすべすべ、まさに摩擦係数ゼロ麺

 手延べとは、秋田の稲庭うどんや長崎の五島うどんに見られる製法だが、包丁切りした麺とは形状も舌触りもまったく異なり、その醍醐味はシルクのようになめらかな麺肌と喉ごしの良さにある。かけつゆとともに舌や喉に吸い付くようにして食道を通る、甘美な質感がたまらない。フシ(伸ばすときに木の棒に当たる部分)のもっちり感も手延べならではのお楽しみだったりして。最後の一本を啜り終わるころには、身体の中を涼風が吹き抜けるような気分に包まれるはずだ。こんな暑い日はまたこのうどんを思い出してしまう(※「香味野菜のサラダうどん」は食材の入荷事情により数量限定の日も)。

INFORMATION

「豊前房」

東京都目黒区東山1-11-15 中目黒 ARK-II 1F
11:45~14:30LO(火~土のみ、祝休)、18:00~22:00LO
月・第4日定休(夏季は毎週日休)

写真=井上こん

 

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