「台湾人が、高市早苗氏のことしか話さない『bot』のようになっています」。台湾を取材してきたばかりのルポライター・安田峰俊氏は、現地で目の当たりにした光景をこう表現する。衆院選で歴史的勝利を収めた高市総理。昨年11月の「台湾有事」に関する答弁で国内で物議をかもしたが、台湾ではむしろ熱烈な支持を集めている。その背景には、日台関係をめぐる複雑な心理が潜んでいた。(全2回の1回目/続きを読む

【サナエチョコまで…高市ブームが台湾に到来!】中国「日本は新型軍国主義」攻撃の真相|習近平が「愚かにも日本の大和魂を覚醒させた」?|岡田克也の落選は「日本政界の親中派が瓦解」…【安田峰俊】

(初出:「文藝春秋PLUS」2026年2月24日配信)

「会う人全員が高市さんの話をする」

 文藝春秋PLUSの番組「速報解説!ニュースの論点」に出演した安田氏は、今年に入って2回台湾を訪れた際の体験を振り返った。

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「今回はミャンマーの詐欺グループの話から、台中にあるラブドールカフェ、台湾の民間防衛団体まで、硬軟織り交ぜて多岐にわたる取材をしました。その中で、どこへ行っても共通する現象がありました」

 安田氏が台湾各地を取材した結果、ある事実が判明した。

「台湾の人々が、まるで高市早苗氏の名前しか言わない『bot』のようになっています。こちらが日本人だと明かすと、決まって高市氏の話題になりました」

「緑」も「青」も関係なく歓迎

 台湾は世論の分断が非常に激しい。対中警戒路線とされる民進党系の「緑」と対中融和路線の国民党系の「青」に大きく分かれるが、高市人気はその境界を超えているという。

「国民党系の『青』の人たちも含めて、会う人は皆、高市氏の話をする」と安田氏。「もちろん、筋金入りの『青』支持者は別ですが、中間層の『青』支持者までは、高市氏を歓迎している雰囲気です」

安田峰俊氏

 なぜここまで高市総理が支持されるのか。安田氏は「台湾において、日本の価値は依然として高い」と指摘する。

「日本の国際的地位は年々下がり続けていますが、台湾における日本の価値は、他国から見た場合よりも高く評価されています。その日本が台湾に関心を示してくれたという点で、彼らの喜びは非常に大きい」