――学校や塾、そして家でもその環境だと、自然と英語ができるようになりそうです。

佐野 でも、なかなかできなくて。「家では英語じゃなくて日本語がいい」って言ってました。

 私、結構落ちこぼれだったんですよ。英語で名前を書けるようになったのは、私が最後だったらしくて。だから母に心配されてましたし、その塾でも「もうちょっと英語を頑張ってください」と言われてたみたいで。

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 小学校受験では、英語で受け答えしないといけない場面があるのですが、私はほとんどしゃべれなかったんです。でも、なんとか「ぐんま国際アカデミー」に合格できて、大喜びしましたね。それに、母の期待に応えたい、裏切っちゃいけないという気持ちがずっとあったから、ホッとしました。

子ども時代の佐野麗奈さん(本人提供)

学校では「先生が何を注意しているのかがわからない」「言いたいことが伝わらない」

――努力が実ったのですね。

佐野 ただ、小学校に入ってもあいかわらず落ちこぼれで……。小学校では、学校にいる間は英語以外禁止の環境でした。思わず日本語を話してしまうと、先生から怒られるし、親にも連絡が行くんです。

 でも、それならまだ怒られている理由は分かります。困るのは、突然注意されたとき。英語が苦手な私は、先生が何を言っているのかはっきりと聞き取れないことが多かったから、なんで注意されているのか分からないんです。でも、それを聞き返す英語力もないから、何も言えない。

 友達との会話でも、困ることが多かったです。私はこう言ったつもりだったけど伝わってなかった、みたいなので喧嘩とかもあって。授業中だけでなく休み時間も気が抜けなくて、ずっと緊張していました。

 

――具体的には、どのくらいの英語力を求められるのでしょうか?

佐野 小学校のうちに英検2級取得が目標でした。高校に入るころには、英検1級、TOEIC800点レベルの人も珍しくはなかったです。

 でも、私は小学生の間に2級はとれなかったし、高校卒業時点で英検は準1級。みんなと同じように勉強しているのに、なんでみんなと同じように英語ができるようにならないんだろうって劣等感を抱いていました。

 でも、社会人になって初めて、「あ、自分の英語って、人並みよりはできるんだ」って思ったというか。それまで小さな社会で生きていたので、みんなしゃべれるものだと思って育ってきたんですよ。だから、当時は自分の本当のレベルを過小評価してたなと思ってます。

幼い頃から英語を学んで育った(本人提供)

――そんな厳しい環境だと、ついていけない人もいるのでは?

佐野 そうなんです。小学校入学時には生徒が100人くらいいたけど、高校を卒業する頃には60人くらいになっていました。辞める理由はもちろん様々ですが、その中には「ついていけない」という子もいましたね。