タリバン兵に殺された友人

――戦場に到着した時、目標にしていたことは何かありますか。

ジェレミー 隊長だったので、隊のみんなが生きて帰ることを目標にしていました。小隊には僕より年上の人が多くて、家族や子どもがいる人ばかりだったんです。でも、10か月の間に同じ隊の仲間が3人亡くなってしまって……。結局、それは達成できませんでした。今でも、みんなを家族のもとに無事に返してあげたかったと思っています。

 

――戦場で忘れられないことはありますか。

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ジェレミー 仲のよかった友人が、タリバンの兵士に殺されたことです。名前はアレックス・トンプソン。僕より5歳くらい年上で、軍での階級は同じでした。アフガニスタンに行く前、たまたま同じ訓練を受けていて、現地でも同じ部隊に所属することに。イラク戦争にも参加して戻ってきた経験のある、優秀な兵士でした。

 ただ、彼はアフガニスタン軍との会議中に殺されてしまいます。当時のアフガニスタン軍には、タリバン兵のスパイも紛れ込んでいたんです。見分けがつかないので、アフガニスタン軍の兵士と会議をする時は、防弾チョッキを着るのが当たり前でした。

 でも、アレックスは会議を始める時に脱いでしまった。おそらく威圧的に見えるから装備を外したんですよね。人と人として対話したかったんだと思います。

 その時、タリバン兵が部屋に飛び込んできて、カラシニコフを撃ち始めたんです。銃弾がアレックスの脇の下の動脈を貫いて、血がボタボタと流れていきました。

 窓から飛び出して逃げたんですが、途中で気を失って倒れてしまって……。追ってきたタリバン兵に、後頭部を撃ち抜かれました。

 アレックスは結婚していて、小さな息子と娘もいました。僕も会ったことがあります。戦争経験もあって、みんなから頼られる存在でした。

――家族も受け止めるのが難しそうです。

ジェレミー 兵士の死を家族に知らせる時は、朝の早い時間に軍の関係者と牧師さんの2名で家を訪れるんです。アレックスの死を告げた時は奥さんがその場で倒れてしまったそうです。

――アレックスさんの家族との連絡はその後取っているんですか。

ジェレミー はい。アレックスの墓参りには毎年行っています。奥さんは再婚して、今は幸せに暮らしているそうですよ。僕は良かったなと思います。