戦地で小さな女の子を傷つけてしまった後悔
――10年以上経ちますが、改めてアフガニスタン戦争を振り返ってみるといかがでしょう。
ジェレミー アフガニスタンのことは今でも毎日思い出します。「あいつはおもしろかった」とか「あの任務は過激で楽しかった」とかいい思い出もあるんですけど、「あの戦争はなんだったんだろう?」と考えることが多いですね。
当時は何も知らない23歳でしたし、自分たちが正しいと信じていた。でも帰国して世界情勢がよく見えるようになって、子どもが3人生まれて、年も取って。後悔してることもあります。
――例えばどういうことですか。
ジェレミー 僕のせいで小さな女の子を傷つけてしまったことです。タリバンの兵士が家の中からこちらを狙撃してきたんですね。反撃する作戦を考えて、ヘリコプターのアパッチで兵士がいる家にミサイルを打ち込むよう指示したんです。
でも、そこには5歳の女の子と兄、そのお母さんも住んでいました。それに気づいたのはミサイルを打ち込んだ後。家に入るとお母さんがものすごい悲鳴を上げていて。その横には、火傷した腕にガラスの破片が突き刺さった女の子が倒れていました。鼓膜も少し破れて耳も一時的に聞こえなくなっていました。すぐに衛生兵を呼んで治療してヘリコプターで病院に連れて行って、命に別状はなかったのですが……。本当に申し訳ないことをしました。
その場にいたお兄ちゃんもずっと叫んでいて、アメリカ兵を憎む目をしていたんですよ。 彼からすると僕なんて悪党ですよね。勝手に人の家にミサイルを打ち込んで、幼い妹に怪我をさせたんですから。「アメリカを憎んで将来敵になるのかもしれないな」と思います。彼がアメリカ人を攻撃して、また反撃して……。
「政治の駒に使われたのかもしれない」アフガニスタン戦争の正義
――ずっと繰り返すことになるんですね。アメリカ軍が撤退した後のアフガニスタンはタリバン政権に戻ってしまいました。
ジェレミー 心ではわかっていたんですよ。アフガニスタン軍は規律もないし、弱いです。逆にタリバンは作戦の立て方も行動も上手でした。もしアフガニスタン軍がタリバンと戦ったらすぐ負けるなって思っていました。
アメリカ軍が撤退したアフガニスタンは3カ月でタリバンに制圧されましたよね。「ほらな」という気持ちもありますが、僕たちのやってきたことが無駄になったような残念な気持ちもあります。
当時は「アフガニスタンで苦しんでいる人たちを助けたい。それが絶対アメリカのためになる」と信じ切っていたんですね。相手を憎んでいてやる気満々だった。
でも、現地で戦って仲間をなくして、帰国後に自殺する人もたくさんいて。どんどん複雑な気持ちになります。もしかしたら僕たちは政治家の人気集めや金稼ぎのために使われたのかなって……。今もずっと考えています。
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