性格が変わる戦争での体験

――10カ月間の戦争を終えて帰国した時のことを教えてください。

ジェレミー コロラド州の空港で降りて、解散式をする体育館へ車で向かいました。アメリカでは軍人に対するリスペクトが強いので、空港から体育館に行くまでの道路を封鎖してくれるんですよ。道路の横で子どもたちが小さな星条旗を振っていました。

 帰国当初はうれしい気持ちが一番大きかったです。水道もトイレもあれば、好きな料理も食べられる。平和のありがたさをまじまじと実感しました。

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――日が経つと変わるんですか。

ジェレミー 少しずつイライラするようになるんですよ。まだアフガニスタンで戦っている人たちがいて、殺されている人もいるのに、それが知られていない。戦争の悲惨さを知らない人たちが家族や仕事のグチを言うたびに「そんなしょぼいことで文句を言うなよ」とモヤモヤすることが多かったです。趣味を楽しめなくなったり、お酒が増えたこともありました。

 先輩から「戦争に行くとその前の人間には戻れない」と言われていたんですけど、その通りでした。戦争は人間を変えます。

 

――イラク戦争やアフガニスタン戦争の帰還兵の自殺も多いと聞きます。

ジェレミー 当時は毎日平均で22人が自殺していました。僕の仲間にも自殺した人がいます。せっかく過酷な戦場から帰ってきたのに……。残念ですよね。僕がつらい時は恋人だった奥さんに支えてもらいましたが。

 苦しいことは人に話すのが大事だと思います。一人で苦しむのではなく、声に出して助けを求めて欲しいです。